住宅ローン控除、1年目は確定申告が必要|必要書類・やり方・2026年以降入居の控除額を税理士が解説

住宅ローン控除について、「1年目は確定申告が必要って本当?」「何を準備すればいいの?」と戸惑っている方は多くいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、住宅ローン控除を受ける最初の年は、会社員の方でも必ず確定申告が必要です。
2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられますが、1年目に申告しないと控除そのものが始まりません。
本記事では、住宅ローン控除の1年目の確定申告に必要な書類とやり方、2026年以降に入居した場合の控除額の目安を税理士が解説します。
入居した翌年の申告で何をすればよいかが分かり、控除を取りこぼさずに済むようになります。
目次
住宅ローン控除の1年目は確定申告が必須
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、年末のローン残高の0.7%を、所得税(引ききれない分は一部住民税)から直接差し引ける制度です。
- 1年目(入居した年の分):本人が確定申告をする
- 2年目以降:会社員は勤務先の年末調整で控除を受けられる
- 個人事業主など年末調整がない方:毎年確定申告で控除を受ける
1年目の申告を忘れても、5年以内であれば後から申告して還付を受けることはできます。ただし、申告しない限り2年目以降の年末調整にも進めないため、入居した翌年の2月〜3月に忘れずに申告しましょう。
(参考)国税庁 No.1230 調書方式による住宅借入金等特別控除
2026年以降に入居した場合の控除額の目安
令和8年度税制改正で、住宅ローン控除の適用期限は2030年(令和12年)12月31日の入居分まで5年延長されました。
新築住宅を取得して2026年に入居した場合、控除率は0.7%・控除期間は13年で、住宅の省エネ性能によって1年あたりの控除限度額が変わります。
| 住宅の区分(新築・2026年入居) | 1年あたりの控除限度額 |
| 認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅) | 31.5万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は35万円) |
| ZEH水準省エネ住宅 | 24.5万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は31.5万円) |
| 省エネ基準適合住宅 | 14万円 |
| その他の住宅(省エネ基準を満たさない住宅) | 原則として対象外 |
※「子育て世帯・若者夫婦世帯」とは、40歳未満で配偶者がいる方、配偶者が40歳未満の方、または19歳未満の扶養親族がいる方をいいます。中古住宅(既存住宅)の場合は控除限度額や期間が異なります。
省エネ基準を満たさない新築住宅は、一定の時期までに建築確認を受けたものなどを除き、原則として住宅ローン控除の対象になりません。住宅を購入する前に、省エネ性能の証明書が取得できるかを確認しておくことが大切です。
(参考)国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
1年目の確定申告に必要な書類
住宅ローン控除の1年目の確定申告では、主に次の書類が必要です。
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- 建物・土地の登記事項証明書
- 売買契約書または工事請負契約書の写し
- 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅であることを証明する書類
- 住宅ローンの年末残高が分かるもの
年末残高の証明は「調書方式」が主流に
以前は金融機関から送られてくる「年末残高等証明書」を提出していましたが、現在は金融機関が税務署に残高の情報を直接提出する「調書方式」に移行しています。
調書方式に対応した金融機関で借り入れた場合は、借入先に「住宅ローン控除の適用申請書」を提出しておくことで、確定申告の際にマイナポータル連携で年末残高を自動入力できます。また、契約書の写しなど一部の書類の提出を省略できる場合もあります。

橋場先生
証明書がないと控除額が下がったり、対象外になったりすることもあります。引き渡しのときに書類一式を受け取ったら、確定申告まで1つにまとめて保管しておきましょう。
e-Taxでの申告の流れと事前準備
マイナンバーカードがあれば、住宅ローン控除の確定申告もe-Taxで自宅から完結できます。大まかな流れは次のとおりです。
- 借入先の金融機関に「住宅ローン控除の適用申請書」を提出する(調書方式の場合)
- e-Taxで「年末残高等情報」の取得を希望する事前準備をしておく
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、マイナポータル連携を使って年末残高を取り込む
- 住宅の取得価額や床面積、省エネ性能の区分などを入力する
- 源泉徴収票の内容を入力し、e-Taxで送信する
国税庁によると、入居した年の12月末までに事前準備を済ませておけば、翌年2月中旬ごろに年末残高の情報がe-Taxに届くとされています。年明けに慌てないよう、年内に手続きを済ませておきましょう。
見落としがちな注意点
住宅ローン控除には細かい要件があり、知らずに対象外になってしまうケースもあります。
- 所得の上限:控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 床面積:原則50㎡以上(一定の場合は40㎡以上)で、床面積の2分の1以上が自分の居住用であること
- 入居時期:取得から6か月以内に住み始め、その年の12月31日まで住み続けていること
- 補助金や贈与の特例:住宅の補助金や、住宅取得等資金の贈与の非課税特例を使った場合は、その金額を取得価額から差し引いて計算する
- ローンの期間:返済期間が10年以上であること
特に、親からの資金援助(贈与)を受けて住宅を購入した場合は、贈与税の申告と住宅ローン控除の計算の両方に影響します。申告の前に、資金の出どころを整理しておきましょう。
▶関連コラム:生前贈与は相続税の節税になる?年110万円が非課税になる暦年贈与を解説│3つの非課税制度も紹介

橋場先生
非課税の特例を使う場合でも申告は必要なので、「援助を受けたけれど何もしていない」という方は、早めに確認しておくことをおすすめします。
2年目以降の手続き
会社員の方は、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けられます。
- 税務署から「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が届く(電子交付を選ぶことも可能)
- 年末調整の際に「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」を勤務先に提出する
- 転職した場合も、新しい勤務先の年末調整で同じように控除を受けられる
なお、書面で交付を受ける場合は、2年目以降の控除証明書がまとめて郵送されるため、紛失しないように保管しておく必要があります。
まとめ
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住宅ローン控除は、1年目だけは会社員の方でも確定申告が必要です。2026年以降に入居した新築住宅の場合、控除率0.7%・控除期間13年で、省エネ性能によって1年あたりの控除限度額が変わります。
必要書類のうち、省エネ性能の証明書や登記事項証明書は取得に時間がかかることもあります。入居した年のうちに書類をそろえ、e-Taxの事前準備まで済ませておくと、翌年の申告がスムーズです。
本記事は令和8年度税制改正を踏まえた一般的な解説であり、控除の可否や金額は住宅の種類や取得時期によって異なります。ARK税理士法人では、住宅ローン控除を含む確定申告のご相談も承っています。お気軽にご相談ください。
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