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スポーツイベント(W杯・ラグビー・WBC)の経費はどこまで落とせる?販促費・交際費・アルバイト給与の注意点を税理士が解説

サッカーワールドカップやラグビー、WBCなど、各種スポーツイベントの経費処理について、「観戦キャンペーンの費用は、広告宣伝費と交際費、どちらに算入するべきか」「急きょ雇った臨時アルバイトの給与はどう扱うのか」このように悩む経営者の方は多くいらっしゃいます。

こうした大型のスポーツイベントは、飲食店やイベント業に従事する方にとって大きな商機である一方、売上が増えるほど税務・労務の処理は複雑になります。

そこで本記事では、スポーツイベント商戦における売上や経費の税務処理のポイントと、短期アルバイトや深夜営業時の労務のポイントなどについて、チェックリストとともに税理士が解説します。

イベントの前後にどういった処理をするべきかが明確になり、商戦への集中と売上アップに専念できるようになるでしょう。

税務・財務・資産管理などの課題は「ARK税理士法人」まで

2026年ワールドカップ商戦は飲食店・イベント業にチャンス

2026年ワールドカップ商戦は飲食店・イベント業にチャンス

2026年は世界的なスポーツイベントが相次ぐ「スポーツイヤー」です。
はじめに商戦の全体像と、恩恵を受けやすい業種、また浮かれるばかりではいけない「実務面での課題」を整理していきます。

 

2026 FIFAワールドカップの概要

最も大きなイベントとして外せないのは、FIFAサッカーワールドカップです。
主な特徴は以下のとおりです。

  • 開催期間:2026年6月11日~7月19日
  • 参加国:過去最大の48か国
  • 開催地:カナダ・メキシコ・アメリカの3か国共同開催

※時差の関係で、日本では早朝や午前中に試合が集中し、リアルタイム観戦と録画観戦の両方で需要が生まれています。

日本代表はグループステージを2位で突破したものの、決勝トーナメント1回戦でブラジルに1-2で惜しくも敗退しています。

しかし大会自体は7月19日の決勝まで続き、強豪国同士の戦いを目当てにした観戦需要は消えていません。
「日本戦が終わったから商戦も終わりだ」とは考えず、大会閉幕までが集客のチャンスです。

 

その他のスポーツイベントの概要

日本が敗退してワールドカップへの熱が冷める一方で、今後もスポーツイベントが予定されていますので、次なる商戦のタイミングを把握しましょう。
また、終了した大会も正しい経理処理の観点から把握することをおすすめします。

  • WBC(ワールド・ベースボール・クラシック):2026年3月に開催
  • アジア競技大会:2026年9~10月:愛知県で開催予定で、飲食や宿泊、イベント業への波及が見込めます
  • ラグビーワールドカップ:2027年にオーストラリアで開催予定
  • オリンピック・パラリンピック:2028年にロサンゼルス夏季大会を開催予定

このようにスポーツ商戦は一過性のものではありません。
今回のワールドカップで経理や労務の処理ルールを確立しておけば、今後何度も続くイベント開催時に迅速に対応できるようになります。

 

売上アップが期待できる業種

ご紹介した各種スポーツイベントを活用することで恩恵を受けやすいのは、次のような業種です。

  • スポーツバー・居酒屋(観戦需要による客数・客単価の増加)
  • カフェ(早朝の試合に合わせたモーニング観戦需要)
  • デリバリー・テイクアウト(自宅観戦向けの需要増)
  • イベント事業者(パブリックビューイングや観戦イベントの企画・運営)
  • グッズ販売店(応援グッズ・ユニフォームなどの物販) など

 

ただし「売上が増える=税務・労務も複雑になる」

商機が高まる一方で、実務上の負担が確実に増える点には注意が必要です。
主に、イベント商戦で問題になりやすいのは、次の5つのポイントです。

  • 現金売上の管理(レジ締めと会計データのズレ)
  • イベント用仕入れの増加と廃棄ロスの処理
  • 短期アルバイトの雇用と源泉徴収
  • 深夜営業に伴う割増賃金の計算
  • キャンペーン費用の経費区分(広告宣伝費か交際費か)

橋場先生

こうしたイベントは、個人事業主や法人にとっては年に幾度かの大きな商機です。
一方でご紹介した問題が気になる方も多いもの。

不安や焦りを感じる場合は、専門家に依頼することもひとつの手です。
具体的に相談してみたい方は、弊社ARK税理士法人にお気軽にご相談ください。

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スポーツイベントの売上・経費処理で注意すべき税務ポイント

スポーツイベントの売上・経費処理で注意すべき税務ポイント

イベント商戦の税務では、「売上の計上漏れ」と「経費の科目区分」の2つが問題となることがあります。
中でも「キャンペーン費用は広告宣伝になるのか、交際費になるのか」といったポイントは、法人税の負担にも直結します。

 

売上の計上漏れを防ぐ

イベント期間中は、客数が普段の数倍になることもあり、売上の計上漏れが発生しやすくなります。
計上漏れを防ぐために、次の3つの点を徹底しましょう。

  • 売上経路ごとに分けて管理する:現金・キャッシュレス決済・予約サイト経由など、売上を経路ごとに区分して記録する
  • イベント当日の売上を日別で管理する:試合日やイベント開催日に分けて管理することで、集計ミスや漏れの有無に気づきやすい
  • レジ締め・入金額・会計データの整合性を確認する:レジの現金残高や銀行への入金額、会計ソフトの売上データといった数字が一致しているか毎日確認する

特に現金売上は記録に残りづらく、税務調査でも重点的に確認される項目です。
忙しいからこそ、日々のレジ締め作業などを丁寧にして省略を避けましょう。

▶関連コラム:税務調査が不安な方へ│対象になる条件や経費の内容、今からできる対策も解説

 

キャンペーン費用は広告宣伝費?交際費?

経費区分について迷いやすいのは、キャンペーン費用に関する支出です。
実際に判断する際には、「支出の相手が不特定多数の一般消費者か、特定の取引先か」という軸で考えましょう。

  • 広告宣伝費になる可能性が高い費用:不特定多数向けの観戦キャンペーンのチラシ・SNS広告、来店客全員に配る応援ノベルティ、店頭の装飾 など
  • 交際費になる可能性が高い費用:特定の取引先を招いた観戦接待、得意先へのチケットの贈答、取引先限定の観戦イベントへの招待 など

こうした区分は国税庁も明確に基本的な考え方を示しています。

(参考)国税庁 No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分

同じノベルティの配布でも、「来客者全員に配る」なら広告宣伝費、「特定の顧客にのみ贈る」なら交際費と、配る相手によって科目が変わる点がポイントです。

なお、交際費に区分された場合でも、資本金1億円以下の中小法人は800万円までなら損金に算入できる特例があります。
加えて法人の場合、社外の相手との飲食費で1人当たり1万円以下のものは交際費から除外できる制度もありますので、参加者数と金額の記録(日時・相手先・人数などのメモ)は必ず残しておきましょう。

(参考)国税庁 No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算

 

パブリックビューイングや観戦イベントの注意点

スポーツ観戦に関するイベントを主催する場合は、売上と経費の両面で、通常営業とは異なる処理が発生しますので注意しましょう。

  • 参加費を取る場合の売上処理:チケット販売・参加費は通常の売上として計上。前売り分は入金時ではなく開催日基準での計上が原則
  • 景品・抽選会・ノベルティの処理:一般来場者向けの抽選景品や記念品は広告宣伝費として処理できる一方、取引先向けであれば交際費に区分
  • イベント用備品・装飾・ユニフォームの経費区分:10万円未満の備品や消耗品は支出時の経費にできる。金額や使用期間によっては資産計上が必要になるため、領収書とあわせて用途をメモ

なお、試合映像を店舗で上映する行為には、放映権や著作権などのルールが関わります
大会ごとにパブリックビューイングのためのライセンス制度が設けられている場合もありますので、上映を伴うイベントを企画するなら、必ず大会主催者や権利元への確認が必要です。

橋場先生

「この費用は広告宣伝費でいいのか」「効率的な売上管理の仕組みをつくりたい」など、イベント商戦の経理処理は迷う場面が数多くあります。

適当に処理すると、税務調査の対象となり追徴課税を受ける可能性も。
業種や規模に合わせた実務的なアドバイスで最適な税務処理を行いたい方は、ARK税理士法人までお気軽にお問い合わせください。

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短期アルバイト・深夜営業で注意するべき労務ポイント

短期アルバイト・深夜営業で注意するべき労務ポイント

観戦需要に対応するために、短期アルバイトを雇ったり、または深夜まで営業時間を延長したりする店舗もあるでしょう。
こうしたケースにおいて、見落としやすい労務管理上の注意点をご紹介します。

 

短期アルバイトでも源泉徴収は必要

「イベント期間中だけの短期バイトだから」と、源泉徴収を省略することはできません。
パートやアルバイトの給与も、原則として源泉徴収の対象となります。

  • 扶養控除等申告書の提出を受けた場合:源泉徴収税額表の「甲欄」で税額を計算
  • 申告書の提出がない場合:税額が高めに設定された「乙欄」を適用
  • 日雇いや2か月以内の短期雇用の場合:日額表の「丙欄」を使うケースも。丙欄では日額9,300円未満なら源泉徴収額は0円

使用する欄によって手取り額と事務処理の内容は異なります。
採用する際に、扶養控除等申告書の提出を受けるのか、また雇用期間を明確にした契約を交わすのかといった点について確認しましょう。

(参考)国税庁 令和8年分 源泉徴収税額表(給与所得の源泉徴収税額の求め方)

 

深夜営業では割増賃金に注意

時差の関係で早朝・深夜の観戦営業が増えることが、海外開催のスポーツイベントの特徴です。
深夜営業(労働)の際には、法定の割増賃金が発生します。

  • 深夜労働(22時〜翌5時):25%以上の割増賃金
  • 時間外労働と深夜労働が重なる場合:25%+25%=50%以上の割増
  • 法定休日労働の場合:35%以上(深夜と重なれば60%以上)の割増

割増賃金の計算を正確に行うためには、シフト表と勤怠記録を正確に残すことが大前提です。
「観戦のピークに合わせて口頭でシフトを延ばした」といった運用は、未払い賃金トラブルの原因になりますので避けましょう。

(参考)労働基準法 第37条 時間外、休日及び深夜の割増賃金

 

忙しい時期ほど労務トラブルが起きやすい

繁忙期の現場では、次のような労務トラブルが度々発生します。

  • 休憩時間が取得できていない(6時間超の勤務で45分、8時間超で1時間の休憩が必要)
  • シフト変更を口頭だけで済ませ、記録が残っていない(賃金台帳の未整備)
  • 割増賃金の計算ミス、給与計算ミス
  • 18歳未満のアルバイトを深夜勤務させてしまう(労働基準法により原則22時〜翌5時の就業は禁止)
  • 雇用契約書・労働条件通知書を交わさないまま働かせてしまう

特に学生アルバイトを多く雇う店舗では、年齢確認と深夜シフトの組み方に注意が必要です。
また、雇用契約書と労働条件通知書は、短期雇用であっても必ず整備しましょう。

(参考)労働基準法 第34条・第61条・第108条

 

スポーツイベントの開始前後に準備すべきチェックリスト

スポーツイベントの開始前後に準備すべきチェックリスト

記事の終わりに、ここまでご紹介した内容を元に、実務で利用できるようチェックリスト形式で整理します。
各種イベントの実施前後に、問題点がないか再確認しましょう。

【税務・経理のチェックリスト】

  • イベント専用の売上区分(部門・タグ)を会計ソフトに作成したか
  • キャンペーン費用の領収書、請求書を漏れなく保存しているか
  • 広告宣伝費、交際費、福利厚生費を相手と目的で区分できているか
  • イベント用の仕入れと廃棄ロスを記録しているか
  • インボイス(適格請求書)に対応した請求書、領収書を受け取っているか

 

【労務のチェックリスト】

  • 短期アルバイトと雇用契約書、労働条件通知書を交わしたか
  • 扶養控除等申告書の提出を受けたか(未提出なら乙欄・短期なら丙欄の適用を確認)
  • 勤怠管理の方法(タイムカード・アプリ等)を決めて運用しているか
  • 深夜割増、時間外割増を反映した給与計算の体制があるか
  • 給与支払日と源泉所得税の納付期限(原則翌月10日)を確認したか

 

【税理士・社労士に事前相談するメリット】

チェックリストの項目を自力ですべて整えるのは、通常業務と並行では負担が大きいものです。
イベント前に専門家へ相談しておくと、次のようなメリットがありますのでご紹介します。

  • イベント後に慌てて領収書を整理するのではなく、事前に処理ルールを決めて商戦に集中できる
  • 売上増加が消費税・法人税に与える影響(納税資金の準備を含む)を事前に確認できる
  • アルバイト給与の源泉徴収や年末調整のミスを防げる
  • 経理代行・給与計算のアウトソーシングという選択肢も検討できる

売上が伸びる時期は、納税額も翌期以降に増える時期といえます。
「稼いで、納税したあといくら残るか」まで見据えた資金計画を、商戦の前に立てておきましょう。

▶関連コラム:【顧問税理⼠とは?】顧問契約する意義や業務内容、料⾦感を解説│追加料金トラブルを防ぐチェックポイントもご紹介

 

まとめ

まとめ:一人で悩まず、ARK税理士法人へご相談ください

▶関連コラム:ココが違う!ARK税理士事務所と一般的な税理士事務所│5つの強み、サポートの実例を紹介

2026年のワールドカップをはじめとするスポーツイベント商戦は、飲食店やイベント業にとって大きな商機である一方、売上管理や経費区分、短期アルバイトの源泉徴収・深夜の割増賃金など、税務と労務の課題が集中する時期でもあります。

「かきいれ時」ともいえるタイミングに商売に集中するためには、イベントが始まる前に各種処理ルールと管理体制を整えておくことが重要です。

ARK税理士法人では、イベント商戦を控えた事業者様の経理・税務・給与計算のサポートも実施しています。
売上アップのチャンスを確実に利益として残すために、専門家に相談しましょう。

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執筆者

ARK税理士法人代表税理士

橋場 和弥

高校卒業後は建設業へ就職。頭にタオルを巻いて現場仕事していました。その後ケーブルテレビ工事業を経て、税理士業へ転職。小規模事務所、大手税理士法人を経験し、税理士業界17年目で独立開業いたしました。税理士として異色の経歴ですが、だからこそ出来る他にはないサービスがございます。

弊社は「“世界の仲間・家族と過ごす時間を創る”」ことを理念とし、これを実現するため「オーダーメイドサポート」や様々なサービスにより、理念の実現を追及しております。