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【2026年4月開始】防衛特別法人税とは?中小企業も申告が必要な新税をわかりやすく解説

2026年4月から、法人を対象とした新しい税金「防衛特別法人税」が始まります。
法人税に上乗せされる形の税金で、税額が0円になる法人でも申告書の提出が必要になる場合があるなど、中小企業も見落としを避けたい制度です。

本記事では、防衛特別法人税に対する疑問への解答を、税務の専門家であるARK税理士法人が分かりやすく解説します。

税務・財務・資産管理などの課題は「ARK税理士法人」まで

防衛特別法人税とは?2026年4月から始まる新たな法人向け税制

防衛特別法人税とは?2026年4月から始まる新たな法人向け税制

はじめに、防衛特別法人税とはどういった制度なのか確認します。
創設された理由やどういった法人が対象になるのか、といった点を把握しましょう。

 

防衛特別法人税が創設された背景

防衛特別法人税は日本の防衛力の強化に必要な財源を確保するために創設された税制です。
具体的に、次のような位置づけで運用されています。

  • 防衛力強化の財源確保を目的として創設された新しい税金
  • これまでの法人税額に上乗せして課される「付加税」としての位置づけ
  • たばこ税の引き上げや所得税側の措置とあわせた、防衛財源確保策の一部

つまり、まったく新しい税目が単独で生まれたというより、これまでの法人税に上乗せする形で負担を求める仕組みです。

なお、この上乗せのベースとなるのは、通常の決算書に記載される法人税額そのものではなく、一定の調整を加えた「基準法人税額」と呼ばれる金額になります。

※付加税:既存の税金に上乗せして課される税

(参考)国税庁 防衛特別法人税が創設されました

 

防衛特別法人税はいつから適用されるのか

本税の運用が始まるのは、令和8年(2026年)4月1日以降開始する事業年度からです。

【防衛特別法人税の適用例】

  • 3月決算法人:令和9年3月期(令和8年4月〜令和9年3月)から影響
  • 12月決算法人:令和9年12月期(令和9年1月〜令和9年12月)から影響

「2026年4月開始」と聞くと全社が一斉に対象になるイメージを持たれがちですが、実際には決算月ごとに初回の対象年度がずれていく点に注意が必要です。

 

対象となる法人

対象は法人税を納める法人が基本となり、具体的には次のとおりです。

  • 各事業年度の所得に対する法人税を課される法人が対象
  • 株式会社・合同会社など、一般的な法人は基本的に対象かどうかの確認が必要
  • 収益事業を行っていない公益法人など、一部は提出不要となるケースもある
  • 自社が対象かどうかは、法人の種類や事業内容によって個別の確認が必要

ポイントは、対象になるかどうかと、実際に税額が発生するかどうかは別だということです。
多くの株式会社・合同会社はまず「対象になりうる法人」にあたり、そのうえで後述の計算によって税額が出るかどうかが決まります。

対象から外れる法人は限られるため、原則として一度は自社の取扱いを確認しておくと安心です。

 

防衛特別法人税の計算方法|税率4%・基礎控除500万円がポイント

防衛特別法人税の計算方法|税率4%・基礎控除500万円がポイント

続いて、税額が計算される仕組みを確認しましょう。
ポイントは「税率4%」と「基礎控除500万円」の2点です。

 

基本的な計算式

防衛特別法人税は、法人税額をもとに次のように計算します。

【防衛特別法人税の計算式】

防衛特別法人税額 =(基準法人税額 - 基礎控除額500万円)× 4%

  • 一定の税額控除を適用しないで計算した法人税額(基準法人税額)をもとにする
  • 基準法人税額から年500万円の基礎控除額を差し引く(基礎控除額は「年500万円」を基準とし、事業年度が1年未満の場合は月数按分)
  • 差し引いた後の金額(課税標準法人税額)に税率4%を乗じて税額を求める

※500万円を超えた部分にだけ4%の税金がかかるイメージ

 

中小企業では税額が出ないケースも多い

法人税額500万円は、相応の利益が出ている法人で生じる水準です。

一方で、基礎控除が500万円あるため、法人税額が大きくない会社では防衛特別法人税が発生しないケースも多くあります。

ただし、税額控除の取り扱いなどによって計算結果は変わりますので、税金の有無についての判断は専門家の確認が必要です。

▶関連コラム:【税理士直伝】法人の節税対策まとめ│法人税を賢く抑える11の方法を徹底解説

 

簡単なシミュレーション例

イメージをつかみやすいよう、基準法人税額ごとの試算例をご紹介します。

※いずれも概算のイメージで、実際の申告では税理士・会計事務所の確認が必要です。

【防衛特別法人税のシミュレーション】

  • 例1:基準法人税額が300万円の場合 → 300万円 - 500万円 = 0円。
    防衛特別法人税額は0円
  • 例2:基準法人税額が700万円の場合 → 700万円 - 500万円 = 200万円。200万円 × 4% = 8万円
    防衛特別法人税額は8万円
  • 例3:基準法人税額が1,500万円の場合 → 1,500万円 - 500万円 = 1,000万円。1,000万円 × 4% = 40万円
    防衛特別法人税額は40万円

※例1のように防衛特別法人税額が0円(納税なし)となる場合であっても、原則として申告書の提出自体は必要

このように、基準法人税額が500万円を超えることが、納税が発生するひとつの目安になります。
自社の前期・今期の法人税額がこの水準に近いか確認すると追加の負担が生じるか事前に見通せます。

ただし、基準法人税額は税額控除を適用しないで計算するなど決算書上の法人税額とは異なる調整が入る場合があります。
実際にいくらの税額になるかは、自社の申告内容にもとづいて個別に計算する必要があるため、概算と実額がずれることがある点には留意してください。

橋場先生

新しい制度が追加された場合、計算方法や記載方法など迷ってしまうポイントが多く出てきます。

税務の専門家に相談することで疑問を解消でき、また不要な税金を支払わずに済むケースもありますので、ご不安な方はARK税理士法人にお気軽にご相談ください。

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税額ゼロでも申告が必要!中小企業が最も注意すべきポイント

税額ゼロでも申告が必要!中小企業が最も注意すべきポイント

防衛特別法人税で注意が必要な点は、申告に関する事柄です。
「税額が0円だから何もしなくてよい」と考えると、申告漏れにつながる恐れがあります。

 

「納税なし=申告不要」ではない

防衛特別法人税は、納める税額が0円でも申告書の提出が必要となるケースがあります。

  • 欠損(赤字)などで、そもそもベースとなる「基準法人税額」が0円のケース

  • 黒字で法人税は出ているが、基準法人税額が500万円以下であり、基礎控除によって「課税標準法人税額」が0円になるケース

いずれの場合でも申告が必要なケースはあります。
「納税額がない」ことと「申告しなくてよい」ことは、別問題である点を認識しましょう。

 

法人税・地方法人税の申告書と一体の様式になる

防衛特別法人税の申告は単独の書類を別に作るのではなく、これまでの申告書と一体の様式で行います。

  • 防衛特別法人税の申告書は、法人税・地方法人税の申告書と一体の様式になる
  • 法人税の確定申告書(別表一)の次葉(続きのページ)として、新たに防衛特別法人税の申告欄が追加される
  • 申告ソフトやe-Tax(国税の電子申告・納税システム)の様式変更に注意が必要

一体の様式になるということは、これまで通りの法人税申告書を作成する流れの中で、防衛特別法人税の欄も埋めることになるという意味です。

新しい届出を別途行う訳ではありませんが、様式が更新されるため、使用している申告ソフトの対応について確認する必要があります。

 

提出漏れが起きやすいケース

より具体的に、次のような場合に申告書の提出漏れが発生するケースが増えます。
該当する形式で法人税申告を実施している場合は注意しましょう。

  • 税額が0円なので提出は不要だと勘違いしているケース
  • 自社で申告書を作成しているケース
  • 会計ソフト・税務ソフトの更新をしていないケース
  • 決算申告を提出期限の直前に準備しているケース
  • 顧問税理士とのコミュニケーションが不足しているケース

▶関連コラム:【顧問税理⼠とは?】顧問契約する意義や業務内容、料⾦感を解説│追加料金トラブルを防ぐチェックポイントもご紹介

 

申告・納付・中間申告の実務上の注意点

申告・納付・中間申告の実務上の注意点

防衛特別法人税の申告や納付にあたっては、実務的に確認するべき注意点があります。
期限や納付方法、中間申告といった手続きの取り扱いを確認しましょう。

 

確定申告の提出期限

提出期限は、これまでの法人税の申告と合わせて管理することをおすすめします。

  • 原則として、各課税事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出する
  • 法人税の申告期限延長の適用を受けている場合は、防衛特別法人税の提出期限も延長後の期限になる

既存の法人税・地方法人税の申告と合わせて期限を管理することで、提出期限超過を防げます。

 

納付方法の確認

納付は、法人税・地方法人税に加えて防衛特別法人税の分も別途必要になります。
以下のとおり納付手段は複数ありますので、最適な方法から選びましょう。

  • e-Taxの受信通知から納付情報登録依頼を作成して納付する
  • ダイレクト納付(事前登録した口座から引き落とす方法)を利用して納付
  • インターネットバンキング・クレジットカード納付・スマホアプリ納付なども利用可能

(参考)国税庁 防衛特別法人税に関する納付手続等について

 

中間申告はいつから必要になる?

防衛特別法人税にも中間申告(事業年度の途中で行う申告)の仕組みがありますが、初年度から必要になるわけではありません。

  • 令和9年4月1日以後に開始する課税事業年度から、中間申告が必要になる
  • 法人税の中間申告義務がある法人のうち、前年度の防衛特別法人税額の規模などによって、本税の中間申告も必要かどうかが判定される
  • 初年度からただちに中間申告が必要になるわけではない
  • 資金繰り表には、法人税・地方法人税・消費税に加えて防衛特別法人税も反映する

中間申告が始まると事業年度の途中でも納付のタイミングが増えることになります。
とくに法人税額が500万円を超える規模の会社では、確定申告時だけでなく中間段階での資金準備も意識しておくと、納税時の資金繰りに余裕が生まれます。

▶関連コラム:法人税申告書、ミスなく効率的に作成するには?「攻め」の決算・申告術を税務のプロが解説

 

中小企業が今から準備すべきこと

中小企業が今から準備すべきこと

制度の開始に向けて、中小企業が今のうちに進めておきたい事柄がありますので整理します。
早めに動くことで、申告漏れや資金繰りといった観点での「想定外」を防げます。

 

自社がいつから対象になるか確認する

はじめに押さえたいことは、自社の初回の対象年度です。
決算月によって適用される時期が変わりますので、次の点を確認しましょう。

  • 決算月ごとに、最初の対象事業年度がいつかを確認する
  • 3月決算法人・6月決算法人・12月決算法人などで、影響が始まる時期が異なる
  • 顧問税理士に「当社の初回申告はいつになるか」を確認しておく

 

追加納税が発生するか試算する

対象年度がわかったら、実際に納税が発生するか概算で確認すると安心です。
次のような観点で試算しておきましょう。

  • 前期・今期の法人税額をもとに、概算での影響額を確認する
  • 法人税額が500万円を超える可能性がある会社は、早めに納税資金を見込んでおく
  • 利益が大きく伸びた会社や、役員報酬・設備投資の見直しを検討している会社は特に注意

 

申告書・会計ソフト・税務ソフトの対応状況を確認する

防衛特別法人税は申告書の様式が変わるため、使用しているソフトやe-Taxの対応状況も確認が必要です。
次の点をチェックしておきましょう。

  • e-Taxや税務ソフトの更新情報を確認しておく
  • 自社で申告している場合は、別表の様式変更に注意する
  • 税理士に依頼している場合でも、納税額・資金繰りへの影響は経営者側でも把握しておく

 

税理士に相談するメリット

防衛特別法人税は、申告様式・計算・資金繰りが法人税と絡むため、税理士に相談することで次のような備えができます。

  • 防衛特別法人税の対象年度や概算税額を正確に把握できる
  • 法人税・地方法人税・消費税とあわせた納税資金の見通しを立てられる
  • 決算前の節税対策や、役員報酬・設備投資の判断もあわせて相談できる
  • 申告書の提出漏れや、税務ソフトの対応漏れを防げる

橋場先生

防衛特別法人税は新しい制度ですので、施行後しばらくは取扱いの細かな点が補足されていく可能性があります。

自社で情報を追い続けることは負担が大きいため、制度に明るい税理士と連携し、対象年度・概算額・申告対応をまとめて確認することが、確実で手間のかからない備えです。

制度の内容や税金額について、気になる方はARK税理士法人へご相談ください。

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防衛特別法人税に関するよくある質問

防衛特別法人税に関するよくある質問

記事の終わりに、防衛特別法人税に関して寄せられることの多いご質問にお答えします。

 

Q:赤字法人でも申告は必要ですか?

A:基準法人税額が0円となる場合でも、申告書の提出が必要となるケースがあります。
ただし、法人税の納税義務がない法人など一部例外もあるため、自社が該当するかは個別の確認が必要です。

 

Q:中小企業にも関係がありますか?

A:税額が発生しない中小企業も多いと考えられますが、申告義務があるかどうかは税額の有無とは別の問題です。
「税額が出ない可能性が高いから制度を無視してよい」とはならない点に注意してください。

 

Q:いつの決算から確認すればよいですか?

A:令和8年(2026年)4月1日以後に開始する事業年度から確認します。
自社の決算月によって初回の申告時期が異なるため、まずは自社の対象年度を把握することが大切です。

 

Q:税理士に依頼する場合、何を確認すればよいですか?

A:次の点を確認しておくと安心です。

  • 自社の初回対象年度はいつか
  • 防衛特別法人税の概算額はいくらになりそうか
  • 税額が0円の場合の申告対応はどうするか
  • e-Tax・申告書様式への対応は済んでいるか
  • 納税資金への影響はどの程度か

 

まとめ

まとめ:一人で悩まず、ARK税理士法人へご相談ください

▶関連コラム:ココが違う!ARK税理士事務所と一般的な税理士事務所│5つの強み、サポートの実例を紹介

防衛特別法人税は、2026年4月以後に開始する事業年度から始まる法人税に上乗せされる新しい税金です。
税率は4%、基礎控除は500万円で、中小企業では税額が発生しないケースも多い一方、税額が0円でも申告書の提出が必要となる場合がある点が最大の注意点です。

  • 自社がいつから対象になるのか
  • 追加の納税が発生するのか
  • 申告書や税務ソフトは対応できているのか

こうした確認を早めに進めておくことで、申告漏れや資金繰りの想定外を防げます。
判断に迷う点や自社への影響額については、決算前の早い段階で税理士に相談しておくことをおすすめします。

ご紹介した様々なポイントについては、ARK税理士法人にご相談ください。
会社の状況に合わせて、申告時期や納税金額などを正確に計算、適正な申告のサポートをいたします。

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執筆者

ARK税理士法人代表税理士

橋場 和弥

高校卒業後は建設業へ就職。頭にタオルを巻いて現場仕事していました。その後ケーブルテレビ工事業を経て、税理士業へ転職。小規模事務所、大手税理士法人を経験し、税理士業界17年目で独立開業いたしました。税理士として異色の経歴ですが、だからこそ出来る他にはないサービスがございます。

弊社は「“世界の仲間・家族と過ごす時間を創る”」ことを理念とし、これを実現するため「オーダーメイドサポート」や様々なサービスにより、理念の実現を追及しております。