医療費控除の確定申告、e-Taxでのやり方は?必要書類・見落としがちな対象・5年前まで遡れる還付申告まで解説

医療費控除の確定申告について、「結局何から始めればいいの?」「領収書はどうすればいいの?」と疑問をお持ちの方は多くいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、医療費控除の申告は「対象の洗い出し→必要書類の準備→e-Taxまたは書面での申告」の3ステップで完結します。
ただし、見落としがちな対象や、他の控除との組み合わせで注意すべき点もあります。
本記事では、確定申告の具体的なやり方から、意外と知られていない対象、申告し忘れた場合の対処法までを税理士が解説します。
ご自身がどこまで対象になるのか、正しく判断できるようになります。
目次
医療費控除の申告、何から始めればいい?
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた分を所得から差し引ける制度です。
計算方法自体の詳しい解説は別記事に譲り、本記事では「実際にどう申告するか」に絞って解説します。
- 1年間(1月〜12月)に支払った医療費を洗い出す
- 医療費控除の明細書を作成し、必要書類を準備する
- e-Taxまたは書面で確定申告書を提出する
会社員の方でも、医療費控除は年末調整の対象外のため、別途確定申告が必要になる点に注意してください。
(参考)国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
▶関連コラム:【例題つき】医療費控除の計算方法は?制度の仕組みといくら戻るか徹底解説!
必要書類とレシート・領収書の管理方法
医療費控除の申告に必要なものは、主に以下のとおりです。
- 医療費控除の明細書(確定申告書に添付)
- 医療費の領収書・レシート(提出は原則不要だが、5年間は自宅で保管する義務がある)
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
- マイナンバーが分かるもの
領収書そのものは提出不要になりましたが、「明細書に書く内容の裏付け」として保管しておく必要があります。
日頃から医療費専用の封筒やスプレッドシートを用意し、通院のたびに記録しておくと、確定申告の時期に慌てずに済みます。
(参考)国税庁 No.1119 医療費控除に関する手続について

橋場先生
健康保険組合から送られてくる「医療費のお知らせ」があれば、明細の代わりに使えるケースもあるので、まずは手元にある資料を確認してみてください。
e-Taxでの申告手順
e-Taxを使えば、医療費の領収書を税務署へ持参・郵送する必要がなく、自宅から申告が完結します。大まかな流れは以下のとおりです。
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスする
- マイナンバーカードとマイナポータルを連携すると、医療費通知情報が自動で反映される場合がある
- マイナポータル連携がない場合は、医療費集計フォーム(Excel)に手入力するか、領収書を見ながら1件ずつ入力する
- 医療費控除の明細書が自動作成され、控除額が計算される
- 他の所得・控除の情報とあわせて確定申告書を完成させ、e-Taxで送信する
マイナポータル連携を使うと入力の手間が大きく減りますが、連携できる医療機関・薬局は限られているため、反映されていない分は領収書から手入力が必要です。入力後の金額は、必ずご自身の記録と照らし合わせて確認してください。
見落としがちな医療費控除の対象
医療費控除の対象は「治療目的の支出」が基本ですが、次のようなものも対象になる場合があります。
- 通院のための電車代・バス代(付き添いが必要な場合の交通費も対象になりうる)
- やむを得ない事情でのタクシー代(公共交通機関の利用が困難な場合)
- オンライン診療の診察料・処方箋料
- 不妊治療にかかる治療費
- 一定の条件を満たす歯科矯正費用(治療目的と認められる場合)
一方で、健康診断や人間ドックの費用は、病気が発見されて治療につながった場合を除き、原則として対象外です。予防目的の支出との線引きが分かりにくいため、判断に迷う場合は税理士に確認することをおすすめします。
(参考)国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費

橋場先生
「レシートがないから諦める」のはもったいないケースが多いです。
【注意】ふるさと納税のワンストップ特例が無効になることがある
医療費控除を申告する方が見落としやすいのが、ふるさと納税のワンストップ特例制度との関係です。
ワンストップ特例を申請していても、医療費控除を受けるために確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。この場合、ふるさと納税分は改めて確定申告の「寄附金控除」として自分で入力しなければ、控除が受けられなくなってしまいます。
- ワンストップ特例を申請済み+医療費控除で確定申告する → ふるさと納税分も確定申告に入力し直す必要がある
- 入力を忘れると、ふるさと納税の控除がまるごと受けられなくなる
ふるさと納税を行った年に医療費控除の申告もする場合は、寄附金受領証明書(またはXMLデータ)を必ず用意しておきましょう。
▶関連コラム:【個人事業主必見】ふるさと納税は結局お得なのか?年収シミュレーションで解説
申告し忘れても大丈夫?5年前まで遡って還付申告できる
「去年の医療費控除、申告し忘れていた」という場合でも、慌てる必要はありません。医療費控除のような還付申告は、申告期限から5年間さかのぼって行うことができます。
- 過去分は年をまたいで合算せず、年分ごとに申告書を作成する
- その年の源泉徴収票や医療費の記録も、年分ごとに揃える必要がある
- 5年を過ぎると時効となり、申告できなくなる
「今年も忘れていた」を繰り返さないためにも、医療費の記録は年内から準備しておくことをおすすめします。
まとめ
▶関連コラム:ココが違う!ARK税理士事務所と一般的な税理士事務所│5つの強み、サポートの実例を紹介
医療費控除の確定申告は、対象の洗い出し・必要書類の準備・e-Taxまたは書面での申告という3ステップで進めます。特に見落としやすいのは、通院の交通費やオンライン診療費といった対象の範囲、そしてふるさと納税との併用時の注意点です。
「金額が大きくないから」と申告を諦めてしまうと、本来受け取れるはずの還付を逃してしまいます。過去5年分であれば遡って申告できるので、今年分だけでなく、これまでの分もあわせて一度確認してみることをおすすめします。
ARK税理士法人では、医療費控除をはじめとした確定申告のご相談を承っています。ご自身の申告内容に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
Contact
We will support you like a butler.







