顧問税理⼠はいらない?顧問税理⼠をつけない場合のリスクとデメリットについて

「毎月の固定費を払ってまで、顧問税理士にお願いしなくてもよいのではないか」
「今の規模感なら顧問税理士はいらないのでは」
このように考える経営者や個人事業主の方が増えています。
その背景には、高機能なクラウド会計ソフトの普及やITツールの進化により、専門的な知識がなくても自力で確定申告や決算を行うハードルが下がっていることが挙げられます。
毎月の顧問料という支出を節約できる点は、一見すると経営上のメリットに思えます。
しかし実際には、自己判断による税務申告には取り返しのつかない法的・金銭的なリスクが伴うことも事実です。
本記事では、「本当に顧問税理士はいらないのか」という疑問に対し、税理士がいなくても対応可能なケースから、税理士をつけないことで生じる具体的なデメリット、避けたい追徴課税の仕組みまで、専門家の視点から客観的に解説します。
▶関連コラム:【顧問税理⼠とは?】顧問契約する意義や業務内容、料⾦感を解説│追加料金トラブルを防ぐチェックポイントもご紹介
目次
顧問税理士がいらない・必要性が少ないケースとは?
すべての企業や個人事業主にとって、必ずしも最初から顧問税理士が必要というわけではありません。
事業のフェーズや経営者自身のスキルによっては、外部の専門家に頼らずとも適切に税務処理を行えるケースは存在します。
具体的に「顧問税理士がいらない」と判断できる主な3つのケースをご紹介します。
クラウド会計ソフトを活用して自分で処理が完結できる場合
最新のクラウド会計ソフトには、金融機関のデータ連携や自動仕訳機能が標準搭載されています。
以下の項目のように、日々の取引入力から決算書の出力までをミスなく行える環境が整っていれば、外部依頼の必要性は相対的に低くなります。
- 定型的な取引が中心(毎月の経費や売上のパターンが一定)
- ITツールの操作に慣れている(初期設定やエラー対応を自己解決できる)
- 経理の作業時間を確保できる(本業の合間にコツコツ入力できる)
事業規模が小さく、年間の取引件数が極めて少ない場合
免税事業者など、売上が一定基準以下で取引が比較的単純な小規模事業者の場合、顧問税理士をつける金銭的なメリットを実感しにくくなります。
- 月間の領収書や請求書が10枚程度以内の場合
- 複雑な在庫管理や高額な減価償却資産(例: 車両や機械)がない
- 従業員がおらず、給与計算や源泉徴収業務が発生しない
こうしたスモールビジネスでは、顧問料の費用対効果が見合わないことが多く、事業が一定規模に成長するまでは自力で乗り切ることもひとつの経営戦略です。
▶関連コラム:個人でできる『確定申告対策』今からできる節税&事務負担を減らす準備法を解説
経営者自身に簿記や税務の基礎知識がある場合
経営者ご自身、あるいは社内の専任担当者が簿記の知識や実務経験を有している場合は、顧問税理士がいなくても対応できる可能性が高まります。
- 日商簿記などの資格や、決算業務の実務経験がある
- 国税庁の情報や専門書から、税制改正を自力で把握できる
- 最新の税務ルールを申告書に正確に反映できる
ただし、税法は毎年改正されるため、常に情報をアップデートする継続的な学習意欲が求められます。
なぜ「顧問税理士はいらない」と言われるのか?主な理由
インターネット上や起業家の間で「顧問税理士は不要だ」と言われるのはどうしてでしょうか。
その背景には、テクノロジーの進化とシビアな経営判断が関係しています。
テクノロジーの進化による「自社経理」の容易化
かつては手書きの帳簿や難解なソフトを扱うため、税理士や熟練の経理担当者が不可欠でした。
しかし現在では、以下のようなテクノロジーがその壁を取り払っています。
- API連携による入力の自動化:銀行口座やクレジットカード、POSレジとのデータ連携
- AIによる仕訳推測機能:スマートフォンのカメラでレシートを撮影するだけの自動入力
このような専門家でなくても直感的に帳簿付けが可能なツールの充実が、税理士不要論を後押ししています。
固定費削減を優先し、利益を最大化したいという経営判断
ビジネスにおいて固定費の削減は鉄則です。
特に創業期や利益が十分でない段階において、毎月数万円の顧問料は決して軽い負担ではありません。
- 事業投資への資金振り分け:顧問料を広告費や仕入れなど、売上アップに直結する投資に回したい
- 運転資金の確保:不測の事態に備え、手元の現金(キャッシュ)を少しでも多く残したい
会社設立直後などは、こうした固定費削減を優先してあえて税理士をつけない選択をする経営者が多い傾向にあります。

橋場先生
「便利なツールがあるから大丈夫」「小さな会社に税務調査は入らない」
このように考えて自己流の税務処理と申告書を続けた結果、ある日突然税務署から連絡が入るケースもあります。
ご自身の申告内容や経理処理に不安のある方は、早い段階でARK税理士法人にご相談ください。
顧問税理士をつけないことで生じるリスクとデメリット
「税理士は不要」という意見がある一方で、目先のコスト削減だけに目を向けると、いつの間にか事業の存続を脅かすリスクを抱え込むことになります。
生じる可能性のある、代表的な3つのデメリットを解説します。
税務調査の対象になりやすく、指摘への反論が困難
税理士が関与していない自己申告の決算書は、形式上の不備や計算ミスが疑われやすく、税務調査の対象に選ばれる可能性が相対的に高まる場合があると言われています。
さらに深刻なのは、実際に税務調査が入った場合の対応です。
税法のプロである調査官の指摘に対し、知識のない素人が論理的に太刀打ちするのは至難の業です。
本来は経費として認められるべき支出であっても、税理士という「盾」がないため、法的根拠に基づいた反論ができず否認されやすくなります。
結果として、調査官の言い分を全面的に受け入れることになり、多額の税金を支払う事態に陥りかねません。
▶関連コラム:税務調査が不安な方へ│対象になる条件や経費の内容、今からできる対策も解説
法改正への対応漏れによる不利益
日本の税法は複雑で、毎年のように細かい改正が行われます。
本業をこなしながら、すべての変更を把握して税務処理に落とし込むことは現実的ではありません。
- インボイス制度:登録番号の確認漏れや、複雑な経過措置の計算ミス
- 電子帳簿保存法:データ保存要件を満たせず、青色申告の承認が取り消されるリスク
知識をアップデートしないまま意図せず不適切な申告をしてしまうリスクは、専門家がいない状態では常につきまといます。
本来受けることができた「節税対策」を逃す損失
税理士は過去の数字を計算するだけでなく、合法的な節税策を提案する役割も担っています。
税理士がいない場合、次のような税務上の恩恵を取りこぼす可能性があります。
- 所得控除や特例の未活用:要件を満たしていても、所得拡大促進税制や少額減価償却資産の特例などを知らずに適用を逃す
- 計画的な対策の欠如:決算直前に慌てて不要な経費を利用するも、効果的な節税につながらない
プロのアドバイスがあれば節約できたはずの税金を払いすぎたり、本来は給付を受けられるはずの補助金を取りこぼしたりする「見えない損失」が発生しやすくなります。

橋場先生
ARK税理士法人では、経営者の皆様と密に連絡を取り合い、単なる税務申告に留まらない「経営戦略のパートナー」として歩みを進めています。
財務状況をリアルタイムで把握しているからこそ、最適な節税策や補助金をカスタマイズしてご提案することが可能です。
画一的なアドバイスではなく、貴社の成長フェイズに合わせた財務支援をお求めの方は、ぜひ私たちにご相談ください。
【注意】追徴課税が発生する仕組みと基本構造
「間違っていたら、後で指摘されたときに払えばいい」という認識は危険です。
税務調査等で申告漏れや誤りが発覚した場合、本来納めるべき「本税」に加えて、重いペナルティである「附帯税(加算税など)」が課せられるからです。
税務調査から修正申告までの流れ
税務調査の事前通知が入り、実地調査で申告内容に誤りが見つかると、以下のように手続きが進みます。
- 税務署からの指摘:売上の計上漏れや、プライベート支出の経費混入などを指摘される
- 修正申告の提出:指摘内容に納得した場合、自ら誤りを認めて申告書を提出し直す
- 更正処分:指摘に納得できず修正申告に応じない場合、税務署長が強制的に税額を決定する
その後、追加の本税と各種ペナルティを含めた金額を「一括で納付」することとなります。
附帯税の種類とペナルティ(過少・無申告・重加算税)
追加で納める本税に対し、申告漏れの内容や悪質性に応じて罰金的な附帯税が課せられます。
そのうち、申告や納付の不備に対する「加算税」には、次のようなものがあります。
- 過少申告加算税:期限内に申告したものの、税額が少なかった場合 追加本税の+10%(50万円以下の部分)+15%(50万円超の部分)。調査通知後の自主修正時は+5~10%
- 無申告加算税:期限内に確定申告そのものを行わなかった場合 +15%(50万円以下の部分)+20%(50万円超300万円以下の部分)+30%(300万円超の部分)。自主申告時は+5~25%
- 重加算税:隠蔽や仮装行為があったとみなされた場合 過少申告時は+35%、無申告時は+40%
日割りで増える延滞税・利子税の考え方
上記の加算税に加えて、遅延損害金に相当する「延滞税」も課せられます。
- 加算される延滞税:本来の法定納期限から遅れた期間に対し、利息としての延滞税が加算される
- 日割り計算のリスク:納期限の翌日から完納日までの日数に応じて計算され、例えば3年前の申告漏れの場合、3年分の延滞税(年率約2.4%〜8.7%、状況による)が加算される

橋場先生
事業が順調に成長し、売上規模が拡大したり取引先が増えたりするにつれて、自力での経理作業や自己判断による税務申告には限界が訪れます。
当法人では、経営者様が本来なすべき「本業」に専念できるよう、徹底した税務リスクの排除と、財務状況の改善をサポートしています。税務上の備えを万全にしたい方は、お気軽にご相談ください。
顧問税理士の必要性を判断するためのセルフチェック
ここまで顧問税理士の必要性について解説しましたが、実際に自社において顧問税理士が必要なのか迷う経営者の方は多いものです。
必要性を判断するために利用できるセルフチェックポイントをご紹介します。
経理作業に費やす時間と「機会損失」の比較
経営者にとってご自身の「時間」は価値の高い資産です。
ご自身で記帳を行う時間を、本業の営業活動やサービス開発に充てた場合と比較し、どちらが経営的に合理的かを検討しましょう。
- 時給換算での比較:経営者の時間単価を5,000円とした場合、毎月10時間を経理に費やすと実質5万円のコストに
- 機会損失の視点:10時間で新規顧客を開拓すれば、数十万円の売上が立つ可能性も
ご自身で作業する時間的コストと顧問料を比較し、トータルで会社に利益をもたらす選択をすることが重要です。
将来的な法人化や融資の予定があるか
今後、事業を拡大し金融機関から融資を受ける予定があるかどうかも重要な判断基準です。
- 決算書の信用力:金融機関の審査において、自作の決算書よりも、国家資格者である税理士の署名押印がある決算書の方が客観的な妥当性が担保され、社会的信用が高まる
- 法人成りの複雑さ:個人事業主から法人化(株式会社等の設立)を行う際は高度な税務知識が必要となり、自力での対応は困難に
事業の成長を見据えているのであれば、早い段階から信頼できる税理士をパートナーとして迎え入れることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
顧問税理士の利用に関して、経営者の方から聞かれることの多い質問がありますので、お答えします。
Q:税務調査の通知が来てからでも税理士に相談できますか?
A:税務調査の通知が来てからでも支援をご依頼いただけます。
税理士が間に入ることで、調査官の必要以上の指摘を防ぎ、支払う税金を抑えることは可能です。
一方で、事前の帳簿整備ができないことから、過去の誤りを根本から修正することは難しく、ペナルティ回避の余地は限定的になります。
日頃からの顧問契約による事前対策に勝るものはありません。
Q:顧問契約ではなく、決算申告のみの依頼は可能ですか?
A:毎月の顧問契約を結ばず、年1回の決算業務と確定申告書の作成のみを依頼する「スポット契約」も存在します。
月々の固定費用を抑えたい方には有効な選択肢です。
ただし、期中の取引内容や経営状態をリアルタイムで精査することはできません。
決算月になってから節税策を打とうとしても間に合わず、最大限の節税効果を得られにくいという側面があることはご理解ください。
まとめ
▶関連コラム:ココが違う!ARK税理士事務所と一般的な税理士事務所│5つの強み、サポートの実例を紹介
本記事では、「顧問税理士はいらない」と言われる理由から、税理士をつけないことで生じるリスクまで解説しました。
顧問税理士がいなくても、クラウドソフトなどを使えば申告自体は可能です。
しかし、事業が成長し取引が複雑になるほど、自力での申告には限界と増え続ける税務リスクが生じます。
目先の固定費を数万円節約した結果、数年後の税務調査で意図せぬミスを指摘され、数十万、数百万円という高額な追徴課税を支払うことになっては本末転倒です。
現在の申告内容に少しでも不安がある方や、税務調査への備えを万全にしたい方、今後の資金繰りを含めたプロのアドバイスを受けたい方は、ARK税理士法人の専門的な税務サポートをぜひご利用ください。
まずは当法人の雰囲気を知っていただくためにも、無料の税務相談の利用がおすすめです。
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