書面添付制度には何を記載する?「6つ」の項目を例示して解説│制度の特徴もご紹介

「税務調査に時間と手間を取られたくない」
このように思う経営者の方が利用するべき制度は『書面添付制度』です。
本記事では、書面添付制度の概要をお伝えした上で、実際にどのような事柄を記載するのか解説します。
制度を活用するべきか迷っている方は、ぜひ判断材料にしてください。
なお、書面添付制度のメリット、デメリットなど詳しい概要については、以下のコラムで解説していますので、合わせて参考にしてください。
▶関連コラム:税務調査が来なくなる!?書面添付制度について税理士が徹底解説!
目次
書面添付制度とは?制度の特徴をご紹介
書面添付制度とは、税理士が作成した申告書について「どんな資料を確認し、どのような相談対応を実施したのか」を書面で明らかにする制度です。
- 申告内容の根拠が明確になり、税務調査が入る可能性を下げられる
- 税務調査前に税理士に向けて意見聴取が行われ、調査の省略や短縮につながる可能性がある
- 申告書類の信頼性が高まり、金融機関などからの信頼が高まる
このようなメリットがあります。
▶関連コラム:税務調査が不安な方へ│対象になる条件や経費の内容、今からできる対策も解説

橋場先生
特に、「税務調査が入る可能性を下げられる」という点は大きなメリットです。
書面添付制度を利用して税務調査を避けたいとお考えの方は、ARK税理士法人まで、お気軽にご相談ください。
書面添付制度の記載例『記入する項目は6つ』
書面添付制度の指定様式は難しく見えますが、実務的には次の6つの項目を整理することで書類は完成します。
それぞれどういったことを記載するのか、確認しましょう。
- (1)提示を受けた帳簿書類に記載されている事項
- (2)自ら作成記入した帳簿書類に記載されている事項
- (3)計算し、整理した主な事項
- (4)相談に応じた事項
- (5)総合所見
- (6)その他
(1)提示を受けた帳簿書類に記載されている事項
はじめに、「提示を受けた帳簿書類に記載されている事項」には、税理士が会社から提示を受けた書類を記載します。
- 帳簿書類の名称の例:賃貸契約書、業務委託契約書、銀行残高証明書 など
提示を受けた書類の中で使用しなかったものについては、備考欄に記載します。
(2)自ら作成記入した帳簿書類に記載されている事項
続いて、「自ら作成記入した帳簿書類に記載されている事項」には、税理士が作成した帳簿や資料を記載します。
- 帳簿書類の名称の例:貸借対照表、損益計算書 など
- 作成記入の基礎となった書類等:現金出納帳、預金通帳、領収書 など
単に、税理士がどの書類を作成したのか、またどの資料を元にしているのかを記載するだけですので、特別に注意するポイントはありません。
(3)計算し、整理した主な事項
続いて「計算し、整理した主な事項」では、税理士が「事業において特に重要な科目、当年度の数値が大きく変動した科目」などの項目や理由を整理します。
- 事項、備考の例(飲食店の場合):食材の仕入れ費用、水道光熱費、従業員の給与 など
※食材や電気代の価格高騰など、増減理由についても記載する
また、例年採用していた会計処理の方法に変更があった場合も、本項目で記載し理由も整理します。
(4)相談に応じた事項
続いて、「相談に応じた事項」では、確定申告の内容に影響する相談を税理士が受けた場合に、その内容を記載します。
- 相談内容の例:設備投資を実施する時期、役員報酬の改定、節税に関する相談 など
(5)総合所見
「総合所見」欄は令和6年4月1日以降に新たに追加された項目です。
税理士と納税者の関わりや、申告書類を作成する中での所感などを税理士の視点で記載します。
(6)その他
最後に、「その他」欄には、これまでの5項目で書ききれなかった補足事項などを記載します。
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橋場先生
このように、書面添付制度は様式を見ると難しい印象を受けますが、適切に根拠資料を整理し、税理士と適切に税務処理に取り組んでいれば、難しいものではありません。
一方で、書面添付制度で完成する書面の品質は税理士によって異なります。
高品質な書面の作成で税務調査が入る可能性を避けたいとお考えの方は、ARK税理士法人にご相談ください。
まとめ

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書面添付制度は申告書の信頼性を高めて、税務調査の回避や短縮につながる可能性を持つ制度です。
加えて、経営や税務について詳細かつ適切な振り返りと方針の再検討もできる有用な制度ともいえます。
税務調査を避けたいとお考えの方に加え、税務処理や経営方針の精度を高めたい方も、ぜひ活用を検討しましょう。
書面添付制度の導入を迷っている方、税務調査に対して不安を感じている方は、税務調査への対応経験も豊富な、ARK税理士法人にお気軽にご相談ください。






