税務調査でよく聞かれる質問は？会社に来たとき「絶対に言ってはいけないこと」も紹介
確定申告の内容など、税金について間違いがないか税務署、国税局が確認に来る「税務調査」。
「どんなことを聞かれるんだろう」「追徴課税を受けるのでは」と不安を感じる方も多いものです。
そこで本記事では税務調査が入った場合に聞かれることの多い質問や、言ってはいけないこと、といった話題について解説します。
税務調査に当たってしまった場合、税務調査への不安を感じている場合、事前に知識をつけると安心感につながりますので、ぜひ参考にしてください。
▶関連コラム：税務調査が不安な方へ│対象になる条件や経費の内容、今からできる対策も解説
目次
税務調査とは？当日の流れを確認
そもそも税務調査とは、確定申告などの内容と実際の取引との間にズレがないか確認するための制度です。
ズレによって支払う税金額が変わりますので、制度を不正に利用していないかをチェックする制度といえます。
税務調査当日の一般的な流れ
不適切な税金の動きを排除する目的で実施される税務調査、一般的には以下の流れで実施されます。
- 調査官の来訪と挨拶
- 冒頭のヒアリング（会社概要、事業内容の確認など）
- 帳簿や領収書、通帳などの確認
- 必要に応じた追加質問、ヒアリング
- 調査全体の講評と調査結果に対する対応
このような流れで税務調査は実施され、個人事業主と法人、また会社の規模にもよりますが、通常は1～3日程度で調査は完了します。
税務調査でよく聞かれること
では、具体的に税務調査ではどのような事柄を聞かれるのでしょうか。
代表的なものは、「どのように売上が発生するのか」「どのように原料を仕入れているのか」といった事業の流れを確かめる質問です。
また、税金の金額を求める際に重要なパラメーターである経費についても「どういった目的で支出したのか」「本当に業務に関係しているのか」といった、使途の妥当性を確認する質問も受けることとなります。
なお、こうした質問はどの企業でも行われる一般的な質問ですので、正直に落ち着いて回答すれば問題ありません。
橋場先生
税務調査は事前に流れを把握し適切に準備するだけでも不安が軽減します。
もし「準備の仕方に自信がない」「当日のやり取りが不安」といった場合は、専門家の力を借りることで負担を軽減できます。
不安を抱えている方は、税務調査の準備、応対のサポートをする、ARK税理士法人にご相談ください。
「雑談に見えて要注意」な質問
税務調査の中で注意しなければいけない質問は、雑談に見えて実は不自然な点を探る質問です。
経費や家族への給与に不自然な点がないか確認する目的で質問されているケースもありますので注意しましょう。
ゴルフ、旅行など「経営者の趣味」に関する質問
たとえば、経営者の趣味に関する質問は要注意です。
ゴルフや旅行といった支出は、本当に経営に関係する支出なのかを確認する目的で質問される恐れがあります。
【よくある質問例】
- 休日はどのように過ごされますか？
- ゴルフにはよく行かれるんですか？
- 最近、旅行などには行かれましたか？
- ゴルフ代や旅費は、どのようなお考えで経費処理されていますか？
趣味に関連する支出は、「業務に関連する場合のみ、経費として処理している」「私的にゴルフや旅行に行くこともあるが、この場合は経費に計上していない」といった点が伝わるよう説明することが重要です。
家族構成、家族の業務内容に関する質問
家族構成や家族の業務内容についての質問も、雑談のように聞かれても実はどの程度業務に携わっているのか確認する質問である可能性があります。
【よくある質問例】
- 奥様（ご家族）は、どのような業務をされていますか？
- 勤務日数や勤務時間はどれくらいですか？
- 具体的な業務内容を教えてください。
ご家族に関する質問は、「どの業務を、どの程度担当しているか」を具体的に説明できれば問題ありません。
日報など、業務の内容や実時間をまとめたものがあれば、より説得力が増します。
飲み会、接待の内容に関する質問
飲み会や接待についての質問は、交際費に関する典型的な質問です。
単なる支出の有無に加えて、業務との関連性の有無についてチェックされている意識を持ちましょう。
【よくある質問例】
- この飲食費は、どなたと行かれたものですか？
- 会食の主な目的はどのようなものですか？
- 会食に参加した方の人数を教えてください。
「誰と、どこで、何の目的で」といった点まで正確にメモを残しておくと、調査官から疑われることがありません。
日頃から、領収書に参加者やメモを取ることで質問にスムーズに答えられます。
自動車の利用状況に関する質問
社用車や自家用車に関する質問も雑談のように聞かれることがありますが、プライベートで利用した分を経費に含めていないか確認する目的があります。
【よくある質問例】
- この車は、普段はどなたが使用していますか？
- 休日も同じ車を利用していますか？
- プライベート利用分との区別の仕方を教えて下さい。
業務目的の利用と私的利用の区分方法を日頃から明確にするとともに、調査官に適切に説明できるよう整理すると返答が容易になります。
私的な買い物、高額支出に関する質問
時計やブランド品、家電などの話題も、会社経費との混在がないか探る質問として受ける可能性があります。
【よくある質問例】
- 最近、大きな買い物はされましたか？
- その費用はどのように処理していますか？
- 会社名義で購入した家具や家電はありますか？
こちらも他の話題と同様に、私的な支出と業務用の支出を明確に分けていることを落ちついて説明できれば、追求を受けることはありません。
橋場先生
税務調査は、あらかじめ疑わしい箇所の目星をつけてから調査に入るケースが多く、逆の言うとある程度質問の内容を想定できるということです。
税理士など、専門家の視点で収支や経費を確認すれば、問題点を事前に整理できる可能性もあります。
税務調査への適切な準備を整えたい方は、ARK税理士法人までお気軽にご相談ください。
税務調査の場で「絶対に言ってはいけないこと、NG対応」
税務調査では、調査官との応答が調査全体の印象を影響します。
間違った応答によって「追加で確認が必要」と判断され調査が長引くケースもありますので、次のような対応を避けるようにしましょう。
あいまいな記憶でその場しのぎの回答
1つ目は、「たぶん」「恐らく」といった不確かな回答です。
調査官「この経費は、どの取引先との会食ですか？」
あなた「たぶん、◯◯社との会食だったと思います」
調査官「この交通費はどちらへの移動ですか？」
あなた「恐らく、◯◯県への出張の電車代だと思うのですが」
こうした応答は事実関係が曖昧に見え、調査官に疑念を抱かせる恐れがあります。
回答に自信がない場合は、無理に話を合わせず「確認してお伝えします」と正直に伝えることが重要です。
嘘、話を盛る、意図的にごまかす
2つ目は、嘘、話を盛る、意図的にごまかすといった回答です。
- 実際は私的利用が含まれているが…「この車は全て業務利用しています」
- 会食のいくつかは私的な集まりだが…「すべて取引先との接待です」
- 実際は一部しか業務に使用していないのに…「物件全体を事務所として利用しています」
このような事実と異なる説明は矛盾を生じさせ、より厳しい確認作業につながる恐れがあります。
質問への回答で立場が不利になることがあっても、事実をそのまま伝えることをおすすめします。
脱税をほのめかす発言
3つ目は、脱税をほのめかす発言です。
「他の会社だと、経費にしていますよね」
「現金商売ですから、細かい箇所は帳尻を合わせています」
「領収書がないものは、まとめて処理しちゃってます」
こうした発言は、「意図的な不正があるのでは」と受け取られかねません。
税務調査の場では、冗談や軽口のつもりでも、調査官から強い関心を持たれてしまう可能性があります。
まとめ
税務調査は多くの方が不安を抱くものですが、調査の流れや質問の意図を理解し事前に備えることで落ち着いて対応することが可能となります。
調査官が確認したいポイントは共通していて、正確な対応をしていれば過度に心配する必要はありません。
ただし、「何を準備するべきか分からない」「経費の説明ができるか不安」と感じる方は、専門家の力を借りることもおすすめです。
税務調査の準備や当日のサポートを受けたい方は、税務調査のサポート実績も豊富なARK税理士法人にご相談ください。
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