税務顧問の役割と重要性

「確定申告業務など事業のオペレーションとは別の部分に多くの工数を取られてしまっている」「経理機能を特に考えず事業を開始してしまったが、ガバナンス強化や更なる事業の発展のために、経理処理の要綱を作成したい」「困ったときに直ぐに相談できる、自分の事業に精通した専門家を傍に置いておきたい」。

新しく個人事業主となられた方や事業を法人化された皆様の中には、このような疑問や悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような場合は、会計税務の専門家である税理士と顧問契約を結ぶことを検討してみてはいかがでしょうか。

ここでは会計税務の専門家である税理士と顧問契約を結ぶことの役割や重要性、メリットや契約を結ぶタイミングについてみていきましょう。

税務顧問の役割

税理士と顧問契約を結んだ場合、どのような役務を受けられるのでしょうか。

勿論税理士によって多少差異はありますが、概ね以下の役務の提供を受けることが可能です。

①日次会計処理

記帳代行や経理処理要綱の整備の支援を受けることができます。

また、あるべき会計整理の方法など日常の経理業務に関するアドバイスをもらえます。

②申告業務の代行

帳票の作成から税務署への申告などにより申告業務を代理で行ってもらえます。

③経営コンサルティング

財政状態の分析などをおこない、経営の羅針盤としかじ取りのアドバイスをおこないます。

また、青色申告などを活用した節税対策の提案もおこないます。

④税務調査対応

税務調査の際に、調査官との交渉ややりとりなどをおこないます。

収益認識や交際費の誤計上などを指摘されることもあります。

そのような場合に税理士が緩衝材としての役割を果たしてくれます。

税務顧問契約を結ぶメリット・デメリット

ここまで税理士と顧問契約を結ぶことのメリットについてみてきました。

では、これらのサービスを受けることによって、どのようなメリットを享受することができるのでしょうか。

経理処理や申告業務に割く時間の削減

会社の1年間の成果を表す財務諸表も、結局のところは日々の会計処理の積み重ねです。

会計整理の判断に迷うような取引があったとして、もしそこで一度誤った処理で走り出してしまうと、あとから誤りが判明した場合にその遡及修正に多くの時間と労力を割く必要が出てきます。

また個人事業主の皆様には税務上多くのメリットがある青色申告ですが、こちらは複式簿記での記帳が必須となっています。

本業と並行しながら複式簿記で正しい財務諸表を作成するには一定の知識と労力が要求されますし、そのような専門的な能力をもった社員がいるとも限りません。

専門家である税理士と顧問契約を結ぶことで、正規の簿記の原則に基づいた、あるべき会計処理に基づいた帳簿が作成され、会社の制度会計の品質向上が期待できます。

また、煩雑な事務手続きが多い確定申告業務も、正しくスムーズに行ってもらうことが期待できます。

トラブルが起きた時に間に入ってもらえる

与信管理が上手くできておらず、売掛金の回収が滞ってしまいそうである、先方から請求書が2重に送付されたが、水掛け論になって埒が明かない、税務調査で指摘を受けた、など事業運営にはお金周りのトラブルは付き物です。

このような時、普段から顧問契約を結び自社への理解を深めてもらっていれば、スムーズに対応してもえるでしょう。

一定の報酬手数料が発生する

一方デメリットとしては、一定金額の報酬手数料が発生することが挙げられます。

金額は税理士が所属している事務所や、対応可能な業務によって変化しますが、概ね月額3万円程度の場合が多いです。

税務顧問契約を結ぶタイミング

タイミングの一つの目安としては、収益や課税所得の金額がある程度の規模になった時点といえるでしょう。

例えば年間の売り上げが300万円に満たないような規模の事業体の場合、複雑な論点を考慮する必要がある会計整理も少ないでしょうし、取引先の数も少ないため、トラブルに巻き込まれることも少ないでしょう。

経理処理業務が本業に差し障りが出るくらいに増えてきた時に、法人の経営者の方であれば決算処理等があるので、法人になったタイミングで契約を結ぶことをお勧めします。

このように、会計税務の専門家である税理士に相談できる業務は多岐にわたります。

事業のオペレーションを回すことで手一杯であり、会計処理や申告業務まで手が回らないという状態に陥ることも往々にしてあるでしょう。

正確な経理処理や申告業務を行うために、会計税務の専門家である税理士と顧問契約を結ぶという選択肢も存在します。

ARK税理士事務所では、税務・会計を通じて皆様の成長をサポートさせていただいております。税務のサポートはもちろんですが、経営やキャッシュサポートも行っておりますので、税務顧問契約をご検討の皆様はお気軽にご相談ください。