【不動産投資の法人化】4つのメリット3つのデメリット│向く人向かない人、法人化のタイミングもご紹介

マンションやアパートなど、不動産投資の収益が大きくなってきた場合、気になるのは「法人化するべきか」という問いです。
利益に対する税率など複数のメリットがある一方で、実は個人事業に留めた方がよいケースもあります。
メリットやデメリットのほか、不動産投資の法人化が向く人、向かない人についても解説しますので、悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
不動産投資の法人化とは?概要と仕組みを解説
そもそも不動産投資の法人化とは、個人で行っている不動産投資を「会社(法人)」の形態に切り替えて行うことです。
法人であれば、個人事業より優遇される法人税が適用されるなど、主に税金を節約できる点を中心に複数のメリットがあります。
一方で設立や運営には費用や手間がかかりますので、一定以上の収益を得ている方向けの選択肢といえます。
▶関連コラム:会社設立後の方がやる事が多い!?法人設立手続きの手間の軽減策を税理士が伝授!
不動産投資の法人化、5つのメリット
では、具体的に不動産投資で法人化する場合、どういった特徴があるのでしょうか。
まずはメリットからお伝えします。
- (1)節税効果:法人の所得税率は最大23.2%と個人の所得税より低い
- (2)経費の幅が広がる:車両関連費や家族への給与など法人のみ認められる経費がある
- (3)赤字の繰越が長期に:10年間赤字を繰り越すことができる
- (4)相続が容易:株式の譲渡によりスムーズに資産を移転できる
- (5)信用の強化:金融機関からの評価が高まり融資面でメリットが生まれる
特にメリットが大きいのは、所得税に関する点です。
- 個人:所得税率最大45%
- 法人:普通法人税率23.2%(一定)
個人事業の所得税は累進課税で徐々に高くなる制度ですので、一定以上の不動産所得がある場合には、法人化することで税率差による節税効果を得られます。
▶関連コラム:【法人の節税】やってはいけない、実は損する対策とは?正しい節税対策についても解説
不動産投資の法人化、3つのデメリット
一方で、不動産投資を法人化する場合には、次のデメリットもありますので確認しましょう。
- (1)設立、維持コスト:設立時、また維持(赤字の場合でも)費用がかかる
- (2)入出金の自由度が低い:役員報酬や配当といった形式でしか取り出せない
- (3)譲渡益が不利:個人に適用される「長期譲渡所得」が適用されない
中でも「(1)設立、維持コスト」については、直接費用を要します。
具体的には、株式会社として設立する場合は25万円前後、合同会社として設立する場合は10万円前後の費用が、加えて維持費として毎年最低7万円(法人住民税の均等割)が必要です。

橋場先生
不動産投資の法人化は、節税や資産形成において大きな効果を発揮しますが、判断には「シミュレーション」が不可欠です。
収益や家族構成、保有物件数などに応じて、最適なタイミングと方法は人によって異なります。
法人化の判断に迷ったら、不動産税務に強いARK税理士法人まで、お気軽にご相談ください。
不動産投資の法人化が向く人、向かない人
デメリットもある不動産投資の法人化、全ての投資家に適しているわけではありません。
では、「向く人、向かない人」にはどのような特徴があるのでしょうか。
法人化が向いている人
不動産投資の法人化が向いている人は、次のような特徴がある人です。
- 課税所得が高く、個人所得税率が法人税率を超えている
- 将来的に物件数や家賃収入を拡大する予定がある
- 家族を役員にして所得の分散を図りたい
- 相続や事業承継を見据えて、法人として資産を管理したい
- 融資面で信用力を高めたい
こうした条件に当てはまる方は、法人化による節税や資産形成の効果が高まりますので、税理士など専門家に試算を依頼することをおすすめします。
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法人化が向いていない人
一方で法人化が向いていないのは、次のような特徴のある人です。
- 物件が1~2戸など小規模で所得が少ない
- 毎年赤字気味で利益が出ていない
- 今後の事業拡大予定がなく長期保有中心
- 設立や維持にかかる費用や手間を避けたい
- 法人の資金管理や会計が面倒に感じる
こうした方が「節税できる」と聞いて無理に法人化を進めると、かえって税負担や事務負担が増す恐れがありますので、慎重に検討することをおすすめします。

橋場先生
法人化は節税効果が魅力ですが、「全員にとって得」とは限りません。
収益や将来の事業計画に応じて最適な判断をするには、個別のシミュレーションが必要です。
法人化をするべきか迷ったら、不動産税務に強いARK税理士法人に、ぜひご相談ください。
確認したい!法人化のタイミングの目安
不動産投資を法人化するべきかは、節税額とコストのバランスで判断します。
次のような条件に1つでも当てはまれば、法人化を検討する価値があります。
- 給与所得や不動産所得の合計が900万円以上(個人所得税率33%):個人と法人の税率差が大きくなり、節税効果が見込めます。
- 不動産所得だけで年間330万円以上ある:法人化による経費拡大や税率の優位性が活きてくる水準です。
- 家族に役員報酬を支給して所得分散を狙いたい:家族への給与で所得を分散でき、世帯全体の納税額を抑えられます。
- 相続や事業承継をスムーズに進めたい:株式による資産移転が可能になり、分割や承継がしやすくなります。
法人化には費用も手間もかかりますので、こうした条件を満たした段階で税理士によるシミュレーションを受けると安心です。
まとめ
不動産投資の法人化は、節税や相続、信用力強化など多くのメリットがある一方、設立や維持には一定のコストや手間がかかります。
「所得規模」「今後の事業拡大計画」「家族構成」などを踏まえ、ご自身にとって本当に得かどうかを冷静に見極めることが大切です。
タイミングを誤ると税負担が増えるケースもありますので、事前のシミュレーションが重要になります。
迷ったときは、不動産税務に精通したARK税理士法人が、あなたの状況に合わせた最適な選択肢をご提案します。
節税対策や法人設立のご相談はARK税理士法人へ、ぜひお気軽にご相談ください。





