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【稼ぐほどお得?】平均課税制度を解説!対象者や利用するメリット、注意点まで紹介!

単年で高収入があった年、「税金の支払いが怖い」と悩むことがあります。
こうした場合に味方となるのは「平均課税制度」です。

所得を分散して計算することができ所得税の負担を軽減できる制度で、アーティストやスポーツ選手など収入の増減が激しい職種の方におすすめできます。

本記事では、平均課税制度の仕組みや対象者、利用することによるメリットや注意点まで分かりやすく解説します。

税務・財務・資産管理などの課題は「ARK税理士法人」まで

平均課税制度とは?

平均課税制度とは、一時的に所得が大きく増えた年に、その所得を「5年分に分けて計算」することで、所得税の負担を軽減できる制度です。

所得税は、所得が増えるほど税率が上がる「累進課税制度」を採用しているため、単年だけ高収入があると重い税率が適用されてしまいます。

そこで平均課税制度を利用すると、所得を5等分して、1年あたりの所得を平均化して計算、その金額を5倍することで税額を算出できます。

結果として通常の計算よりも低い税率が適用され、税額が下がるケースが多くなります。

(参考)国税庁 変動所得・臨時所得の説明書

(参考)国税庁 所得税の税率

 

平均課税制度の対象者

上手に活用することで支払うべき税金額を抑えられる平均課税制度ですが、全ての方が使える訳ではありません。

利用できるのは、「変動所得」や「臨時所得」があった場合です。

変動所得、臨時所得とは?

平均課税制度を利用できる、変動所得や臨時所得の特徴は以下のとおりです。

  • 変動所得:毎年の金額に大きな差がでる収入(印税、作曲、漁獲による所得など)
  • 臨時所得:特定の年だけ発生する収入(不動産の権利金、スポーツの契約金など)

こうした所得があり、また金額が一定以上の場合に本制度を利用できます。

注意:所得の20%以上が対象所得であること

平均課税制度を使うためには、「変動所得や臨時所得」がその年の合計所得の20%以上である必要があります。

たとえば、その年の所得が1,000万円だった場合、変動または臨時所得が200万円以上なければ制度の対象外です。

この条件を満たさないと、申告しても制度は使えません。

橋場先生

平均課税の対象かどうか判断がつかない場合は、ARK税理士法人にご相談ください。

状況に応じた最適な申告方法をご提案し、節税チャンスを逃さないサポートを行います。
一時的な高収入があった方は、ぜひ早めにご相談ください。

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節税メリットをシミュレーションで比較

節税メリットをシミュレーションで比較

具体的に、1億円の変動所得があった年に平均課税制度を使うと、税金がどれほど軽減されるかをシミュレーションしてみましょう。

【通常課税の場合】

  • 所得:1億円
  • 税率:45%(最高税率)
  • 所得税:約4,000万円

 

【平均課税を適用した場合】

 

(1) 調整所得金額に対する税額

  • 1億円 × 1/5 = 2,000万円(平均課税における調整所得)
  • 2,000万円 × 40% − 所得控除 279万6000円 = 520万4000円

 

(2) 特別所得金額に対する税額

  • 1億円 − 2,000万円 = 8,000万円(特別所得)
  • 平均税率:520万4000円 ÷ 2,000万円 = 26%
  • 8,000万円 × 26% = 2080万円

 

(3) 合計税額

  • 520万4000円 + 2080万円 = 約2600万円

 

【節税効果】

4,000万円(通常課税の場合)- 2,600万円(平均課税を適用した場合)

= 約1,400万円(通常課税との差)

このように、平均課税制度を使えば税率が抑えられ、本シミュレーションのように支払う税額が約64%にまで軽減されるケースもあります。

 

平均課税制度のメリットと注意点

平均課税制度のメリットと注意点

平均課税制度には、申告だけで税負担を軽減できるというメリットがありますが、対象や適用範囲といった点で注意が必要な制度でもあります。

具体的に、メリットと注意点について確認しましょう。

現金支出なしで申告のみで節税可能

他の多くの節税方法は、共済や保険などへの支払いを伴いますが、平均課税制度は現金を使わず「申告方法を工夫するだけ」で税金が安くなる点が魅力です。

資金繰りを気にせずに節税できるため、突発的な高収入があった個人事業主やフリーランスにとっては非常に有効な制度といえるでしょう。

所得税に限定され、住民税は対象外

平均課税制度は、あくまで「所得税」にだけ適用される制度です。

住民税や国民健康保険料といった他の税や保険料については、本来の課税所得がそのまま反映されるため、軽減効果はありません。

住民税や国保の負担を抑えたい場合は、次のような方法も併せて検討するとよいでしょう。

  • 小規模企業共済の加入
  • iDeCoによる掛金控除
  • 医療費控除の活用
  • 青色申告による特別控除の適用
  • 家族への給与支払い(事業専従者給与)

 

以下のコラムで関連する節税策も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

▶関連コラム:【個人事業主の厚生年金の代わり】小規模企業共済、4つのメリット・2つのデメリットを解説

▶関連コラム:【事業主必見】国民健康保険を0円にする方法とは?

所得の内容によっては制度を使えない

平均課税制度は誰でも使えるわけではなく、使えるのは「変動所得」や「臨時所得」の場合に限られます

さらに、これらの所得がその年の所得全体の20%以上を占めていないと、制度の対象にはなりません。

たとえ高収入があっても、その中身が事業所得や給与所得だけで構成されている場合は対象外となりますので、制度の利用を検討する際は、自分の所得が条件に合っているか慎重に確認する必要があります。

橋場先生

平均課税制度を使えるかどうか、自分で判断するのは難しい場合もあります。

ARK税理士法人では、収入の内容や構成をもとに適用可否を丁寧に判断し、最適な申告方法をご提案しています。
一時的な高所得があった方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

平均課税制度は、一時的に高額な変動所得や臨時所得を得た人にとって、大きな節税効果が期待できる制度です。

現金の支出なしに税負担を抑えられる一方、適用できる所得の種類や条件には注意が必要です。

なお、住民税や国民健康保険料には影響しないため、他の節税策と組み合わせることが効果的です。

 

自分が制度の対象になるか迷った場合は、早めに専門家に相談しましょう。

ARK税理士法人なら、平均課税の適用可否はもちろん、小規模企業共済やiDeCoなど、他の節税対策も含めた総合的なサポートが可能です。
一時的な高収入があった方は、ぜひ一度ご相談ください。

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執筆者

ARK税理士法人代表税理士

橋場 和弥

高校卒業後は建設業へ就職。頭にタオルを巻いて現場仕事していました。その後ケーブルテレビ工事業を経て、税理士業へ転職。小規模事務所、大手税理士法人を経験し、税理士業界17年目で独立開業いたしました。税理士として異色の経歴ですが、だからこそ出来る他にはないサービスがございます。

弊社は「“世界の仲間・家族と過ごす時間を創る”」ことを理念とし、これを実現するため「オーダーメイドサポート」や様々なサービスにより、理念の実現を追及しております。