Column

コラム

ARKのノウハウを掲載したコラムを公開してます。

TOP コラム 経営セーフティ共済(倒産防止共済)を利用した駆け込み節税とは?決算期に加入する注意点、制度の概要も紹介
  • 倒産防止共済
  • 節税
  • 経営セーフティ共済

経営セーフティ共済(倒産防止共済)を利用した駆け込み節税とは?決算期に加入する注意点、制度の概要も紹介

「経営セーフティ共済を利用した駆け込み節税について知りたい」
こうした疑問を解消するため、本記事では経営セーフティ共済(倒産防止共済)を利用した駆け込み節税について解説します。

駆け込み節税する場合の注意点や経営セーフティ共済全体の概要なども紹介しますので、経営セーフティ共済の利用について迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

税務・財務・資産管理などの課題は「ARK税理士法人」まで

経営セーフティ共済を利用した駆け込み節税とは?

経営セーフティ共済を利用した駆け込み節税とは、どのような節税方法なのか、制度の内容とともに解説します。

 

経営セーフティ共済:中小企業の連鎖倒産・経営難を防ぐ

そもそも経営セーフティ共済とは、制度を運用する中小企業基盤整備機構によると、次のような制度と解説されています。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。

無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できます。

(参考)共済サポート navi 経営セーフティ共済とは

つまり、取引先事業者の倒産などに備えて掛金を積み立て、万が一のときには掛金の10倍までの借り入れを受けられる制度ということです。

 

経営セーフティ共済の掛金は全額が経費になる

経営セーフティ共済は掛金が全額、損金・経費に

経営セーフティ共済には複数のメリットがありますが、中でも節税に関係する特徴は掛金を全額、損金・経費として算入できることです。

なお、掛金は月額5,000円から20万円まで自由に選択可能で増額・減額もでき、さらに前納として前払いすることも可能です。

 

駆け込み節税:決算期に掛金の前払いをすること

経営セーフティ共済を利用した駆け込み節税とは、決算期が近づいたとき次年度の掛金を前納することで、掛金の分、当年度の損金・経費を増やして納税額を減らすことを指します。

月当たりの掛金は最大20万円ですので、12か月分で最大240万円の損金・経費を計上可能です。
240万円分の損金・経費を算入すると、法人税等が約35%の企業の場合は、84万円の節税を受けられます。

橋場先生

経営セーフティ共済に限らず、決算前に取れる節税策は複数あります。
事業の種類や収支の状況によって最適な手段は変わりますので、悩んだときはARK税理士法人まで、お気軽にご相談ください。

▶お電話でのお問い合わせ

▶LINEでのお問い合わせ

▶メールでのお問い合わせ

 

経営セーフティ共済(倒産防止共済)の概要

経営セーフティ共済を利用した駆け込み節税について解説しましたが、ここからは制度全般について紹介します。

 

経営セーフティ共済のメリット

経営セーフティ共済を利用する場合のメリットは、次の3つです。

  • 掛金の金額を自由に選択でき、全額が損金・経費になる
  • 掛金を40か月以上納めていれば全額返金、元金保証
  • 無担保無保証で掛金の10倍まで借り入れ可能

節税についてのメリットが強調されるケースの多い経営セーフティ共済ですが、40か月以上納め続けることで掛金が全額戻る点、無担保無保証で掛金の10倍まで借り入れ可能など、経営の「もしも」に備える目的でも最適な制度といえるでしょう。

また、決算書上は経営セーフティ共済の積立分を資産として計上することで銀行に対して黒字経営をアピールし、税金の申告書については損金として処理することで、節税しながら融資の審査を有利に受けることも可能です。

 

経営セーフティ共済の加入条件・方法

経営セーフティ共済の加入条件・方法

経営セーフティ共済には、複数の加入条件があります。
満たしていなければ節税策も利用できませんので、条件を確認しましょう。

  • 継続して1年以上事業を継続している個人事業主・中小企業
  • 資本金の額または出資の総額が規定以下であること
  • 従業員数が規定以下であること

ほかにも、法人税の滞納がある方や、飲食業など一般消費者を対象として取引する事業者などは加入できないケースがありますので、詳しくは中小企業基盤整備機構の窓口に問い合わせる必要があります。

(参考)共済サポート navi 私の事業は倒産防止共済に加入できる?

なお、加入する際は中小企業基盤整備機構が業務を委託している銀行や商工会などに申請するほか、オンラインで手続きすることもできますので、利用しやすい方法で申請しましょう。

(参考)共済サポート navi 加入窓口

橋場先生

節税枠の使い方や解約のタイミングなど、経営セーフティ共済を利用した節税には注意点があります。
上手に使えば効率的に節税できますので、お気軽にARK税理士法人までご相談ください。

▶お電話でのお問い合わせ

▶LINEでのお問い合わせ

▶メールでのお問い合わせ

 

決算期に加入する場合の注意点

節税を受けられる経営セーフティ共済を利用した駆け込み節税ですが、活用する際には注意が必要な点がありますので紹介します。

 

掛金には上限がある(年240万、積立金上限800万)

1つ目は、掛金には上限があることです。
月々20万円、年間240万円の枠があることに加えて、積立金の上限が800万円に設定されています。

このため800万円の上限をうまく活用するために、掛金を自由に設定できる制度を利用して利益の高い年は掛金も多く、利益の低い年は掛金を少なくして節税効果を高めましょう。

 

解約時に益金として算入される

経営セーフティ共済の注意点:解約時に益金として算入される

2つ目は、解約時には益金・収益として算入されることです。

掛金が損金・経費として算入される一方で、経営セーフティ共済を解約して掛金が戻る際は益金・収益として扱われます。
掛金の一部を解約することもできないことから、たとえば800万円の掛金がある場合は、800万円が益金・収益として計上されます。

ただし、解約のタイミングは任意に選べることから、赤字が出た年度や、退職金・設備投資のある年度に解約すれば課税額の調節は可能です。

 

前納申込書の受理日に注意

3つ目は、前納申込書の受理日に注意することです。

掛金の前納手続きの締切日は、前納希望月の5日です。
このため、前納申込書を前月末を目途に取り扱い機関に提出しなければ、中小企業基盤整備機構に5日までに届かず、損金・経費として算入できない場合があります。

決算月に駆け込み節税する場合は、余裕を持ったスケジュールで手続きしなければいけません。

(参考)共済サポート navi 掛金を前納したい

 

まとめ│駆け込み節税はタイミングが重要

経営セーフティ共済を利用した駆け込み節税について解説しました。
経営セーフティ共済は、掛金を前納することで掛金の前払い分最大240万円を全額、損金・経費として計上できます。

解約時に益金・収益に算入する必要はあるものの、赤字や設備投資などと損益通算することで、節税メリットを最大化することも可能です。

橋場先生

加入のタイミングや掛金の金額、解約の時期など詳しく確認したい方は、節税の相談も受け付けているARK税理士法人までお気軽にご相談ください。

▶お電話でのお問い合わせ

▶LINEでのお問い合わせ

▶メールでのお問い合わせ

 

執筆者

ARK税理士法人代表税理士

橋場 和弥

経営者に寄り添ってサポートします!!